『常に笑顔で』
~2011年度 準ミス明治学院 清末奈津江~

 

 新月、夕月、十四日月、芋名月、更待月――。清らかな淡い光を夜空から注ぐ月を、日本人は古くから愛し、様々な呼び名をつけた。青空の中で大きな光を放つ太陽よりも、日本人にとっては大きな存在であると言える。さらに月明かりというものは、それによって照らされたものをも、美しく見せる力を持っている。
松尾芭蕉に、こんな句がある。
「名月や池をめぐりて夜もすがら」
中秋の名月を眺めながら池の周りを歩いていると、いつの間にか夜が明けてしまった。芭蕉も月の美しさに、そして自然の美しさに惹かれた一人である。
彼女は、そんな月に似ている。美しい光を放ち、その光で周りの人をも明るく照らす。彼女と話していると、自分の心が浄化されているような気がする。2011年度準ミス明治学院・清末奈津江さんである。

 

― 出場のきっかけ
 食堂でご飯を食べている時に、広研の方が「ミスコンに興味ない?」っていう風に声をかけてくださって、声をかけてもらったし、やってみても良いかなーって最初は軽い気持ちでした。最後だしやるだけやってみようって思って(笑)

 

― 賞を取れると思っていたか
 グランプリとかになれるとはホントに全然思ってなかったです。って言うよりも、グランプリがどうとか、そういう考え方をあんまりしてなかったかもしれないです。本番楽しみだなぁとか、無事終われば良いなぁとか、そっちの方が強くて、ミスと準ミスに固執するよなことは無かったです。
 多分それは、他のミス候補のメンバーとすごい仲が良かったので、皆で「盛り上がると良いね」って話をしてましたね。本番楽しくやろう!って感じになってました。

 

― ミス候補の仲
 ホントに仲良いです。今でも遊んだりするので。バチバチした感じっていうのは全く無かったですね。皆キャラが全然違って、良い意味でかぶる人がいないので、友達としても尊敬してて可愛いって思えるような人達だったので……ホントに良かったです。

 

― 得たものや変化

 いっぱいあるんですけど、一番出て良かったなって思うのは、4人と知り合いになれたこととか、広研さんとか、いっぱい色んな知り合いが増えたことですね。今まで出来なかった経験をたくさんさせてもらえたので、ホントに良い経験になりました。
 私はサークル活動もしてなかったし、集団っていうよりも仲良い子たちとちょこちょこ遊ぶって感じの学校生活で、学校のイベントに参加したりが無かったので、それを出来たことがホントに楽しくて。華やかな大学生活じゃなかったので(笑) 打ち上げしてくれたり皆が見に来てくれたり、そういうのがホントに嬉しかったし楽しかったですね。
  心理学部には共同研究室っていうのがあってそこにレポート出しに行ったりとかするんですけど、そこの事務の先生とかが「サイン貰って良いですか?」って(笑) いやいやいや!って感じだったんですけど、心理の先生とかも皆声かけてくれて、それはすっごい嬉しかったですね。準ミスをとったことよりも、皆が見に来てくれて盛り上がってくれたことが嬉しかったです。
 打ち上げは見に来てくれた子皆でしたんですけど、そこに茉莉ちゃん(2011年度ミス深海茉莉さん)とかななちゃん(2011年度エントリーナンバー3秋永七穂さん)とか暇だったらおいでよーって呼んだら、私の友達達皆と仲良くなってて、知らない所でつながってたりして、コミュニティーも増えて。最初ミスコンに出る時に、中傷とか嫌な想いするんじゃないかっていうのがあったんですけど、そういうのを感じないくらい暖かい人達の中で出来たので、全部が良い思い出です。

― 支え
  準ミスに決まった時に一番最初に頭に浮かんだのは両親でした。ウチの母がすごい可愛くて、ミスコン出るんだよって言っても「へぇー、そうなの」みたいな、「あんたが?」みたいな感じで言っておきながら、ミスコンの情報が載ってるホームページとかすごいチェックしてるんですよ(笑) 例えばミスコンで雑誌に載ったりしたやつとかも、買ってきて見せたりしてて、「えっ!?」ってなって(笑) 口では頑張ってとか言えないけど、多分楽しみにしてたんだと思って、そこらへんがすごい可愛くて。
 本番もとりあえず見に行くよーみたいな、そんな感じで来てたから、でも両親が見に来てくれてるのはすっごい嬉しくて、会場に来ててくれたので「お母さんやっとよ!」ってなりました。来てくれてた友達も、もちろん大学の友達も来てくれてたんですけど、小・中・高色んな所から来てくれてたので、皆のことが一人ずつ頭には浮かびましたね。

 

― ウエディングの感想
 実は、ロマンティックな感想が言えないくらいあのときは焦っていて(笑) というのも、私のドレスが大きくて、落ちちゃう!落ちちゃう!って。それに精一杯であのときはなんかドレスを楽しむ余裕も無かったです(笑)
 でも皆でドレスを選びに行ったんですけど、「これが一番可愛い!」っていうのを選んできてたので、そういう意味ではすっごい嬉しくて。
 私が選んだドレスはピンクベージュのドレスだったんですけど、それも良かったかなって思います。真っ白のドレスはまだとっておきたくてドレスを選んだので。 
 でも「あのドレスはすごいなっちゃんっぽかったよ」って言ってもらえたし、普段いじってくる友達とかもウエディングの時泣いてて、それに私もうるっと来ちゃってもらい泣きしそうになりました。皆ツンデレでした(笑)

 

― 気をつけていたこと
 痩せなくちゃって思ってたんですけど、結局、んー?って感じでした(笑)皆を見てたので、食いしん坊ながらにも、ちょっとヤバいかなみたいなのはあったので、気をつけていたかもしれないです(笑)
 あとは、学校にいる時に変なことしないようにしてました(笑) ちょっとは気をつけました。外でアイスとか食べてたら、「あの子ミス候補の―」みたいになるから恥ずかしくて(笑) チョー適当な格好では来れないかなとか思って。
 でもそれって女の人にとっては良いことだと思います。自覚が芽生えたって感じですかね。

 

― プレッシャー
 無かったですね(笑) 本番前にはやっぱり緊張もしましたし、転んだりしたらどうしようとか、あとは痩せなきゃとかそういうのはあったんですけど、変にナーバスになったりすることは無かったですね。良い緊張感と言うか……楽しみ!楽しみ!でずっと本番まで、私は行きましたね。今でも覚えてるんですけど、皆でウエディングドレス着て練習したときとかも、ワクワクしてました。

 

― 準ミスに選ばれた瞬間
 ただただ驚いちゃって。ホントに驚いたまま固まっちゃってて(笑) ボーって立ってたら、自分だけ明るくなって「あっ、準ミスなんだ!」って。喜びに変わるまですごい時間かかりましたね。
 茉莉ちゃんがミスに選ばれて、表彰とかしてるときに「あっ、そういえば私も準ミスなんだよね」って感じで、嬉しいなーみたいな(笑) 何が起こったのかホントに分からなかったです。顔も驚いた顔しかしてなかったと思います。

 

― 清末さんの考える「美」とは
 自然体が良いのかなってずっと考えていて。やっぱり、内から出る美っていうのが一番素敵だと思います。ミスコンに出て、就活とかもして感じてるのは、シンプルが一番良いんじゃないかなって。皆それぞれ色々考えはあると思うんですけど、私は自然の美っていうのを目指していて、性格の良さが美に変わるようなものを、自分は目指して行きたいなっていう風に思っていますね。
 憧れの人っていうのはたくさんいるんですけど、その方々も皆、もちろん容姿も綺麗なんですけど、仕草だったりお話の仕方だったり素敵な女性だなっていう方に憧れるので。顔がきれいだねって言われるよりも、自分をしっかり持っているようになりたいですね。美人は三日で飽きるって言いますしね(笑)

― ゆずれないこだわり
 人が一番輝くのって笑顔のときだと思ってて、ムスッとしているよりはニコニコしている方が良いと思うので、笑顔でいることは心がけていますね。それが自然体でいるということだと思うし。

 

― ミスコン後
 四年なので、就職が決まって学校以外の時間は、会社で研修みたいなことをさせてもらっているんですど、それはすごい頑張ってます。ファッションショーをつくる会社なんですけど、だから今度は広研さんみたいな感じの立場になるんです。ミスコンに出たり、今までの全部がつながって今の会社に入れたと思っているので、これからも頑張ろうと思っている所です。

 

― 理想の女性像
 女性らしい方に憧れています。自立していて、自分の考えはもっているんだけど、人をたてられるというか、そういう女性になりたいですね。前に前にっていうよりも自然にいれる女性を今は、目指しています。

 

 芭蕉は本当に月が好きであったらしい。
                            「影は天の下照る姫か月の顔」
 

月と月光の美しさを日本書紀などに出てくる神・下照姫に例えた。月というのはそれほど人を惹き付け、虜にさせる――やはり清末さんは月のようなお方である。

 

 川(江)を流れる清らかな水は、川の末、港(津)を越えて海へと入る。その海に沈む月のことを詠んだ、
                            「名月や海に向かえば七小町」

 

 詠み人はこれも芭蕉。様々な情緒を呼ぶ月は、海に向かうと絶世の美女・小野小町の人生を思い起こさせると。この記事を読んだ方はどうだろう。月を見ると、小野小町に匹敵する、清末奈津江さんを思い起こすこととなるだろう。

 

清末さんも来年は社会という新しいステージへと立つ。新しい挑戦が始まる。先の分からないステージへ向かうその道は、先の見えない真っ暗な夜道と言えよう。どんな困難にぶつかるか分からない。しかし月のように輝く彼女は、月明かりが、人々の歩く見えない夜道を明るく照らすように、自分の未来も、そして彼女に関わる人々の未来も、明るく照らすに違いない。

(文・福岡)